記憶力を上げる方法|学習と日常生活で実践したい習慣

記憶力を上げる方法

記憶と学習のコラム

記憶力を上げる方法学習と日常生活で実践したい習慣

覚えたことを忘れてしまう。そんなときは、学び方と生活の両方を見直してみませんか。無理なく続けられる工夫を、研究の知見と身近な例から紹介します。

思い出す練習復習の工夫生活習慣
今日からできる工夫を見る

まずはここから

記憶力を上げたいとき、大切にしたいこと

「記憶力を上げる」といっても、誰もが短期間でたくさん覚えられるようになる方法があるわけではありません。一方で、覚え方や復習の仕方を工夫すると、学んだことを思い出しやすくなる場合があります。 日々の睡眠や身体活動なども、学びを支える大切な土台です。

学び方の工夫

覚えて、思い出す

学んだ内容を確かめる

教科書やノートを読むだけで終わらせず、答えを隠して思い出したり、別の日に復習したりします。

勉強、資格の学習、新しい言葉を覚えるときに。
生活習慣の工夫

休んで、体を動かす

学びの土台を整える

十分な睡眠や無理のない運動、偏りの少ない食事など、普段の生活にも目を向けてみましょう。

すべて一度に変えず、できることから始められます。

最初の一歩は小さくて大丈夫。 苦手な単語を一つ思い出してみる、次の復習日を決める。それだけでも学び方を見直すきっかけになります。

覚え方を見直す

学び方を変える3つの工夫

学習方法を比べた研究レビューでは、思い出す練習と間隔をあけた学習が、幅広い学習内容で役立つ方法として評価されています。[1] まずは今の勉強に一つ取り入れてみましょう。

工夫 01

答えを見ずに思い出す

覚えたい言葉を読んだら、いったん本を閉じ、自分の言葉で説明してみます。思い出せなければ答えを確認しましょう。

工夫 02

別の日にも確かめる

一度で覚えようとせず、時間を空けて同じ内容に触れます。無理のない復習予定を立てると続けやすくなります。

工夫 03

意味をつなげて考える

新しい言葉を、知っている言葉や身近な出来事と結びつけます。「どうして?」を考えることも理解を助けます。

読み返すことにも意味があります。 まず理解し、そのあとに思い出して確かめる。学ぶ内容に合わせて組み合わせることが大切です。[1][2]

復習の間隔について詳しく知りたい方は、分散学習の記事も参考にしてください。

学習を続けるヒント

10分から始める学習の進め方

勉強時間を長く取れない日でも、短い時間を使って覚えたことを確かめられます。次の流れは、学習を始めるための一例です。時間配分は自分に合わせて変えてかまいません。

学ぶ、閉じて思い出す、答え合わせ、次回予定の四段階で構成する10分学習の例。3分、3分、2分、2分を目安として示す。 10分間の学習を四つの縦型カードで説明。学ぶ3分、思い出す3分、確かめる2分、予定を決める2分。
10分は学習を始めるための一例です。自分が続けやすい時間に調整しましょう。

思い出せたとき

覚えられた内容を簡単に記録し、別の日にもう一度確かめてみましょう。

思い出せなかったとき

答えを見て意味を確かめ、少し時間を置いてからもう一度挑戦してみましょう。

復習日を具体的に決めたいときは、復習スケジュールの作り方を参考にしてください。ノートを使いたい方には暗記ノートの作り方も役立ちます。

生活を整える

睡眠・運動・食事も学びを支えます

集中して学ぶためには、勉強方法だけでなく、毎日の体調も大切です。睡眠不足は注意力や学習に影響することがあります。また、身体活動や食生活は、長い目で見た脳の健康とも関係しています。[3][4]

学びを支える睡眠、身体活動、食生活を横並びの三つのカードで解説した図。 睡眠、身体活動、食生活の三つの生活習慣を縦に並べ、学びを支えるポイントを説明した図。
睡眠・運動・食事は、学習テクニックとは別の観点から健康や学びを支える生活習慣です。
睡眠

休む時間を大切に

できる範囲で就寝・起床の時刻を整えましょう。眠りが足りない日には、無理に勉強量を増やさない工夫も大切です。

身体活動

無理なく体を動かす

散歩や軽い体操など、生活に合う活動から始めてみましょう。自分の体調や体力に合わせて続けることが大切です。

食生活

一つの食品に頼らない

特別な食品を探すより、日々の食事が偏らないよう意識してみましょう。必要な栄養や健康状態には個人差があります。

睡眠や運動は学びを支えますが、それだけで勉強の成果が決まるわけではありません。 WHOのガイドラインは主に認知機能の低下や認知症のリスクに関するもので、特定の勉強をすぐ覚えられる効果を示したものではありません。[4]

続けられる形をつくる

忙しい日にも取り入れやすい習慣

毎日たくさん勉強するよりも、自分の生活に合った方法を見つけることが大切です。新しい習慣を増やしすぎず、できそうなものを一つ選んでみましょう。

朝

前に覚えたことを一つ思い出す

前日に読んだ言葉や用語を、ノートを見ずに言えるか試してみます。

勉強のあと

次に復習する日を決める

カレンダーや手帳に一言残し、別の日にも思い出す機会をつくります。

休憩時間

少し体を動かしてみる

座り続けていたら、立ち上がったり歩いたりして気分を切り替えます。

夜

夜は休む時間を確保する

勉強を詰め込みすぎず、休む時間を確保できるように見直します。

続けられない日があっても大丈夫。 翌日から再開する、目標を小さくするなど、無理のない方法に変えてみましょう。

期待しすぎないことも大切

記憶力について知っておきたいこと

思い込み 01

一度で覚えなくてもよい

学んだ内容を忘れることは珍しくありません。覚え直す機会をつくることも、学習の一部です。

思い込み 02

アプリの練習はどこまで役立つ?

アプリで練習した内容が、別の教科や日常生活にもそのまま役立つとは限りません。

思い込み 03

サプリに頼りすぎない

特定のサプリメントを飲めば、誰でも記憶力が上がるといった十分な根拠はありません。[4]

急に物忘れが増えた、日常生活で困ることが続くなど、気になる変化がある場合は、勉強方法だけで対処しようとせず、医療機関に相談してください。

学んだことを行動へ

覚えた言葉をタイピングでも振り返ろう

言葉の意味を確かめたり、学んだことを短い文章にまとめたりする時間に、タイピングを取り入れるのも一つの方法です。キーボード操作の上達と、知識を覚えることは別なので、何を練習したいかを意識しましょう。

STEP 01

意味を確かめる

言葉や文章を読んで、何について書かれているか考えます。

STEP 02

声に出す・言葉にする

覚えたことを、短い言葉で説明してみましょう。

STEP 03

正確に入力する

無理に速さを求めず、一文字ずつ確かめながら入力します。

まずは一文ずつ

覚えた言葉を使ってみる

  1. 今日覚えた言葉を一つ選ぶ
  2. その意味を自分なりに説明する
  3. 短い文章を、正確さを意識して入力する
  4. 別の日にも覚えているか確かめる

タイピングの速さだけでなく、学んだ内容を確かめる時間も大切にしましょう。

よくある疑問

記憶力を上げる方法のよくある質問

何から始めればよいですか?

まずは今学んでいる内容を、答えを見ずに一つ思い出してみましょう。慣れてきたら、別の日にも確かめる時間をつくるとよいでしょう。

同じ文章を何度も読めば覚えられますか?

読み返すことは理解の助けになりますが、読んだだけで覚えられたと思い込むこともあります。本やノートを閉じて、内容を説明できるか確かめてみましょう。

睡眠を取ると記憶力は上がりますか?

睡眠は注意や学習と関係しています。ただし、よく眠っただけで覚えたい内容を必ず記憶できるわけではありません。十分な休息と学習の工夫を両方大切にしましょう。

運動をすると暗記が得意になりますか?

身体活動は健康や認知機能と関わりますが、運動だけで特定の試験や暗記の成果が決まるわけではありません。無理のない活動を生活に取り入れてみましょう。

記憶力によい食品やサプリは?

一つの食品やサプリメントに頼るより、偏りの少ない食事を心がけることが大切です。健康上の心配や栄養の不足がある場合は、医療の専門家に相談しましょう。

タイピングで記憶力を鍛えられますか?

タイピングは、言葉に触れたり、学んだ内容を書き出したりする手段になります。ただし、入力速度の向上と記憶力全体の向上は同じではありません。手続き記憶の記事も参考にしてください。

参考資料

参考にした研究・資料

学習方法についての研究レビューと、睡眠・生活習慣・認知機能に関する公的資料を参考にしました。

  1. Dunlosky, J. ほか(2013)「Improving Students’ Learning With Effective Learning Techniques」Association for Psychological Science。学習方法10種類を評価した研究レビュー。
  2. Karpicke, J. D. & Blunt, J. R.(2011)「Retrieval practice produces more learning than elaborative studying with concept mapping」Science, 331(6018), 772–775。思い出す練習の研究例。
  3. National Heart, Lung, and Blood Institute(米国NIH)「How Sleep Works – Why Is Sleep Important?」(2022)。睡眠と学習・記憶に関する解説。
  4. World Health Organization(WHO)(2026)「Risk reduction of cognitive decline and dementia: WHO guidelines, executive summary, 2nd ed.」。身体活動や食生活などと認知機能の健康に関する指針。
  5. World Health Organization(WHO)(2026)「New WHO guidelines: up to 45% of dementia risk could be prevented or delayed」。認知機能の健康に関するガイドラインの概要。

学習方法についての研究と、認知機能の健康に関する資料では、調べている内容が異なります。生活習慣を整えることが、暗記の成果にそのまま結びつくとは限りません。

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