暗記のコツを解説|効率よく覚えて思い出すための勉強法

暗記のコツを解説

記憶と学習のコラム

暗記のコツを解説効率よく覚えて思い出すための勉強法

何度読んでも、思い出せない。そんなときは、覚え方を少し変えてみませんか。答えを見ずに確かめる方法を中心に、今日からできる暗記のコツを紹介します。

覚え方の手順思い出す練習暗記の実例
暗記の5つの手順を見る

最初に押さえたいこと

暗記のコツは、思い出す練習にあります

暗記がうまく進まないとき、同じページを何度も読み返していませんか。読むことは内容を理解するうえで大切ですが、覚えたかどうかは、答えを見ずに思い出してみると確かめられます。

理解する

意味をつかむ

最初に内容を理解する

わからない言葉を調べ、身近な例と結びつけます。意味を理解してから覚えると、内容を整理しやすくなります。

例:「蒸発」は、液体が気体になること。
思い出す

答えを隠す

自分の言葉で確かめる

意味を理解したら、ノートを閉じて説明してみましょう。思い出せないところは答えを確かめます。

例:「蒸発とは?」と自分に問いかける。

大切なのは、最初から全部正解することではありません。 思い出せなかった部分を確かめ、別の日にもう一度挑戦することが学びにつながります。

暗記で困ったときは

暗記が進まないとき、何を変えればいい?

「読めばわかるのに、何も見ずに答えられない」。そんな経験は珍しくありません。見て理解できることと、必要なときに自分で思い出せることは、同じではないからです。

まず確認

意味がわかっているか

初めて見る用語なら、意味や使い方を先に理解します。意味をつかめていない言葉を何度も唱えるだけでは、説明する場面で困ることがあります。

次に確認

答えを隠して確かめたか

ページを見ながら「覚えた」と感じても、あとで思い出せるとは限りません。少し目を離して、言えるか書けるか確かめてみましょう。

最後に確認

別の日にも覚えているか

その場では答えられても、時間が経つと出てこない場合があります。忘れかけたころに確かめる機会をつくることが大切です。

研究レビューでは、思い出す練習と間隔をあけた復習が、さまざまな学習場面で役立つ方法として評価されています。[1]

今日から実践

覚えて思い出す5つの手順

新しい単語や用語を覚えるときは、次の順番を試してみましょう。どの手順にも難しい道具は必要ありません。紙のノートでも、単語カードでも始められます。

暗記の5つの手順の図。詳しい内容は図の説明にあります。暗記の5つの手順の図。詳しい内容は図の説明にあります。
すべてを一度に完璧に覚えようとせず、ひとつずつ確認していきます。
  1. 意味を理解する:わからない言葉を調べ、何を覚えるか決めます。
  2. 小分けにする:一度に増やしすぎず、取り組む量を絞ります。
  3. 答えを隠す:何も見ずに、自分の言葉で答えます。
  4. 答えを確かめる:間違いや曖昧な点を確認し、覚え直します。
  5. 別の日に試す:時間を空けて、もう一度思い出します。

思い出せたとき

その場で終わりにせず、別の日にも答えられるか試してみましょう。

思い出せなかったとき

答えを見て確認すれば大丈夫。わからなかった部分を短い言葉にして、もう一度挑戦してみましょう。

復習日を決めたい場合は、復習スケジュールの作り方を参考にしてください。ノートを使う場合は暗記ノートの作り方で具体例を紹介しています。

やり方の違いを知る

読み返すだけでなく、自分で思い出してみよう

教科書を読み返す時間も大切ですが、内容を理解したら、答えを隠して確かめる時間もつくってみましょう。どこまで覚えているか、自分で確かめられます。

読むことと思い出すことの比較図。詳しい内容は図の説明にあります。読むことと思い出すことの比較図。詳しい内容は図の説明にあります。
まず意味を理解し、その後で思い出す練習を取り入れる例です。

方法1「読む・理解する」:用語「蒸発」を読み、「液体が気体になること」という意味を理解します。

方法2「隠して思い出す」:「蒸発とは?」と自分に問い、答えを見ずに説明します。間違えた箇所は確認しましょう。

文章を使った実験では、もう一度読むよりも、いったん思い出す練習をしたほうが、後日のテストでよく思い出せた条件が報告されています。ただし、学習内容や確認の仕方によって結果は変わります。[2][3]

科目に合わせて取り入れる

英単語・用語・手順の暗記で試してみよう

何を覚えるかによって、確かめ方も変わります。自分の勉強に近い例から試してみましょう。

英単語

意味を言ってみる

borrow を見て「借りる」と言えるか確かめます。さらに短い例文を作ると、使う場面も考えられます。

理科・社会

自分の言葉で説明する

「蒸発とは?」と問いかけて、意味を説明します。曖昧なら教科書に戻り、例も一緒に確認しましょう。

仕事や生活

手順を順に思い出す

作業のチェック項目を隠し、次に何をするか言ってみます。実際の作業では安全な手順書も併用しましょう。

覚える内容に合わせて、問いを変えてみましょう。 単語なら「意味は?」、用語なら「どう説明する?」、作業なら「次は何をする?」が一つの出発点になります。

意味と一緒に覚える方法については、意味記憶の解説も参考にしてください。

やり方を見直す

暗記が進まないときに見直したい3つのこと

見直し 01

読むだけで終わっている

読み返したら、本を閉じて一問だけ答えてみましょう。思い出せなかったところが、次に確かめたい部分です。

見直し 02

きれいにまとめて満足している

色分けやノート作りは整理に役立ちます。ただ、作るだけで覚えられるとは限りません。質問と答えを分けて、あとで確かめられる形にしましょう。

見直し 03

一度で全部覚えようとしている

一度にたくさん詰め込まず、少しずつ区切って取り組みましょう。語呂合わせが役立つ内容もありますが、意味の理解と答え合わせも忘れずに。

複数の学習方法を比較した研究では、線を引いたり読み返したりするだけでは、十分な学習効果が得られない場合があるとされています。内容を理解したら、答えを見ずに思い出す練習も加えてみましょう。[1]

短い時間から

まずは10分、暗記の練習をしてみよう

忙しい日でも、学ぶ内容を少し絞れば試せます。次は、用語を3つ覚えるときの一例です。時間は目安なので、自分に合わせて調整してください。

はじめの3分

意味を理解する

覚えたい用語を3つ選び、わからない意味を調べます。

次の4分

答えを隠す

用語の意味を、自分の言葉で説明してみます。思い出せなければ答えを確認します。

最後の3分

次の復習を決める

曖昧だった用語を記録し、別の日にもう一度確かめる予定を立てます。

うまく答えられない日があっても問題ありません。難しいと感じたら、用語を一つに減らして取り組んでみましょう。

今日の小さな一歩

一問だけ、自分に出題しよう

  1. 覚えたい言葉を一つ選ぶ
  2. 答えを隠して、意味を話すか書く
  3. 答え合わせをして、曖昧な部分を確かめる
  4. 別の日にも、もう一度答えてみる

思い出せなかったところがわかれば、次に何を復習するか決めやすくなります。

学んだことを言葉にする

タイピングでも学びを振り返ろう

覚えた言葉を使って短い文章を考えると、意味を確かめる機会になります。タイピング練習でも、教材に出てくる文章の内容を意識して入力してみましょう。

1

意味を確かめる

覚えた言葉の意味を、まずは自分の言葉で説明してみましょう。

2

短い文章にする

その言葉を使って、意味が伝わる短文を一つ考えます。

3

正確に入力する

内容を確かめながら、無理に速さを求めずに入力します。

入力速度が上がることと、覚えた知識を思い出せるようになることは別です。言葉の意味を考える時間も大切にしましょう。

練習はこちらから

覚えた言葉を、短文でも確かめよう

自分で短い文章を考えてみるほか、Typing Coachでは教材の文章を読み、意味を確かめながら入力してみましょう。

よくある疑問

暗記のコツについてのよくある質問

暗記が苦手な人は、何から始める?

覚えたい言葉を一つ選び、意味を確認したら答えを隠してみましょう。思い出せなければ、もう一度意味を確かめれば大丈夫です。

何度も書くと覚えやすいですか?

書くことで整理できる場合はありますが、書いた回数だけでは覚えられたかはわかりません。何も見ずに意味を説明したり、書けるか確かめたりしてみましょう。

一夜漬けでも覚えられますか?

短期間で覚える必要がある場合もありますが、日がたっても覚えていたい内容は、複数の日に分けて復習する方法が役立つ場合があります。間隔は内容や目標に合わせて調整しましょう。

語呂合わせだけでも覚えられますか?

語呂合わせが覚えるきっかけになることはあります。ただし、意味を理解することや、答えを隠して確かめることも組み合わせるとよいでしょう。

ノートと単語カードは、どちらがよい?

どちらでも構いません。大切なのは、質問と答えを分けて、答えを見ずに思い出せる形にすることです。続けやすい道具を選びましょう。

タイピングは暗記に役立ちますか?

覚えた言葉を文章にしたり、意味を確かめたりする際に使えます。ただし、入力の練習だけで暗記が進むとは限りません。言葉の意味や答えを思い出す時間もつくってみましょう。

研究とその活かし方

参考にした研究・資料

思い出す練習、復習の間隔、答え合わせの効果を調べた研究やレビューを参考にしています。研究で得られた結果が、どんな人や教材にも同じように当てはまるとは限りません。

  1. Dunlosky, J., et al. (2013)「Improving Students’ Learning With Effective Learning Techniques」。学習方法を比較した研究レビュー。
  2. Roediger, H. L., & Karpicke, J. D. (2006)「Test-Enhanced Learning」。思い出す練習と後日の記憶についての研究。
  3. Karpicke, J. D., & Blunt, J. R. (2011)「Retrieval practice produces more learning than elaborative studying with concept mapping」。文章の学習と理解に関する実験研究。
  4. Cepeda, N. J., et al. (2006)「Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis」。復習間隔と記憶についての研究レビュー。
  5. Butler, A. C., & Roediger, H. L. (2008)「Feedback enhances the positive effects and reduces the negative effects of multiple-choice testing」。答え合わせと学習についての実験研究。

ここで紹介した10分間の練習は、始めやすさを考えた一例です。10分という長さ自体に特別な効果が確かめられているわけではありません。

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