まず知っておきたいこと
復習は、思い出す日を先に決めておこう
学んだ内容を一度で覚えようとすると、復習する機会を逃しがちです。そこで役立つのが、日を空けて同じ内容を確かめる予定を作ること。大切なのは、日数を厳密に守ることより、思い出す機会を続けて作ることです。
復習を忘れやすい
勉強を終えると、いつ確認するか決めないままになりがちです。
復習に取りかかりやすい
何をいつ確認するか見えるので、短い時間でも取り組みやすくなります。
この記事の結論:最初は翌日・3日後・1週間後などに確認する予定を置き、覚えているかどうかに合わせて変更しましょう。これは実践しやすい例で、全員に最適な日程ではありません。
忘れることは自然なこと
忘却曲線をヒントに、復習を考えよう
忘却曲線は、時間がたつにつれて覚えた内容を思い出しにくくなる様子を考える手がかりです。エビングハウスの研究は、どんな教材にも同じ割合で忘れることを示したものではありません。
忘れる割合に注目するより
「1日後には何%忘れる」といった数字だけで、復習日を決める必要はありません。学ぶ内容や人によって、思い出せる度合いは変わります。
思い出す機会を作ろう
別の日に答えを見ずに考え、わからない部分を確認します。予定を立てるときは、この機会をどこに置くかが大切です。
忘却曲線の意味や研究の背景を詳しく知りたい方は、忘却曲線の解説記事も参考にしてください。
「日を分けて学ぶ」という基本的な考え方は分散学習の記事で解説しています。この記事では、予定の立て方と具体的な使い方に絞ります。
今日から使える予定の例
まずは翌日・3日後・7日後を目安に
初めて学んだ日を起点に、何度か確認する予定を置いてみましょう。下の図は、予定表を作りやすくするための一例です。日数そのものに、全員共通の正解があるわけではありません。
| いつ? | 何をする? | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 学んだ日 | 内容を理解する | 要点を自分の言葉で説明できるか |
| 翌日 | 答えを隠して復習 | 前日に覚えたことを思い出せるか |
| 3日後 | 苦手な部分を確認 | 間違えた内容をもう一度説明できるか |
| 7日後 | 少し時間を空けて復習 | ヒントなしでも答えられるか |
| 14日後 | 次の予定を決める | 覚えていたら間隔を調整できるか |
※ 初回を含めた5回の確認例です。忘れやすい内容は早めに、十分に覚えている内容は後日にするなど、予定を変えて構いません。
この日程をすべて守ることが目標ではありません。忙しい日があっても、次に何を確かめるかが決まっていれば、学習を再開しやすくなります。
予定を作ってみよう
復習予定表を作る4つの手順
ノートやカレンダーアプリなど、普段使い慣れたものがあれば十分です。予定を複雑にしすぎず、最初はひとつのテーマから始めてみましょう。
学ぶ内容をひとつ決める
「英単語5語」「歴史の出来事3つ」「仕事の手順1つ」のように、思い出す対象を小さく決めます。範囲が広いときは分けましょう。
次に確かめる日を決める
翌日や数日後など、実際に取り組めそうな日を書きます。最初から細かなルールを決めすぎず、見直せる予定にしましょう。
答えを見ずに思い出す
ノートの質問欄や単語カードを使い、いったん自分で答えてみます。そのあと答え合わせをして、迷ったところを確認します。
結果に合わせて調整する
すらすら答えられたら次は少し先に、思い出せなければ早めに確認する予定を置きます。自分に合うリズムを探しましょう。
予定表に書く4項目:「復習する日」「学ぶ内容」「答えられたか」「次に確かめる日」。この4つを残しておくと、長い文章を書かなくても振り返りやすくなります。
自分の学習に置き換えよう
英単語・理科・仕事でどう使う?
復習の予定は、単にページを開く日ではありません。何を思い出せるかまで決めておくと、取り組みやすくなります。
単語の意味を確かめる
英語を見て日本語の意味を答えるだけでなく、短い例文を作れるか試すのもひとつの方法です。
理由や違いを説明する
理科や社会では「なぜそうなる?」「何が違う?」と、自分に質問してみましょう。
手順を思い出して確かめる
仕事の手順は記憶に頼るだけでなく、必要なマニュアルや最新の情報と照らし合わせましょう。
質問と答えを分けてまとめたい場合は、暗記ノートの作り方も参考になります。
続けやすさを大切に
予定どおりにできなくても大丈夫
忙しくて復習できなかった日があっても、最初からやり直す必要はありません。いまの理解度を確かめて、次の予定を決め直しましょう。
内容をもう一度確認
忘れていたところを読み直し、説明できるか確かめます。次は早めに確認する予定を置くとよいでしょう。
間隔を少し延ばす
すぐ答えられる内容は、次の復習まで少し時間を空けても構いません。必要に応じて調整します。
優先順位をつける
すべてをこなそうとせず、苦手な部分や近く使う知識から確認します。負担を増やしすぎないことも大切です。
苦手な部分が見つかるのは、次に学ぶことを決める手がかりです。復習の予定は、自分を縛る決まりではなく、続けるための道具として使いましょう。
研究から考えてみよう
復習の間隔に、ひとつの正解はない
2006年のCepedaらの研究レビューでは、学習の間隔と、どのくらい先まで記憶しておきたいかが、思い出せる度合いに関係することが示されています。[1]
2008年の研究でも、学習を繰り返す間隔は、後でテストする時期によって適切な長さが変わりました。[2] そのため、特定の復習日を誰にでも当てはまる正解として紹介することはできません。
研究が支えている考え方
時間を空けて学ぶことには意義があります。米国の教育研究機関による学習ガイドでも、学習を時間的に分ける方法が推奨されています。[3]
予定表で工夫できること
いつ使う知識なのか、覚えられているか、どこが苦手かを見ながら、無理のない復習予定を決めましょう。
「○日後に必ず復習すれば覚えられる」わけではありません。 この記事の日数は具体的な予定を立てるための例です。研究に基づく原則と、実践の目安を区別して活用してください。
学びを振り返ろう
タイピングでも言葉を確かめよう
記憶や復習を扱うタイピング教材で文章に触れたあと、その内容を自分の言葉で思い出してみるのも一つの方法です。文章を入力しただけで記憶力が高まると断定するものではありません。
入力のあとに、要点を思い出す
- 文章を読んで意味を確かめる
- 無理のない速さで入力する
- 画面を見ずに、内容を言葉にしてみる
- うまく説明できなかったら、別の日に確認する
タイピングの上達と、内容を思い出す練習は、目的を分けて考えましょう。
よくある質問
復習スケジュールのよくある質問
復習は何日おきにすればいいですか?
全員に当てはまる日数はありません。翌日・3日後・7日後などを予定作りの出発点として、どこまで思い出せたかに合わせて見直してください。
忘却曲線どおりの予定が必要ですか?
必要ありません。忘却曲線は考えるヒントになりますが、学ぶ内容や目標が異なれば、適した復習の間隔も変わります。
予定の日を過ぎたらどうすればいいですか?
気づいた日に、まず覚えているか確かめましょう。思い出せなかったところを確認して、次の予定を決めれば大丈夫です。
ノートとアプリのどちらが便利ですか?
どちらでも構いません。使い慣れた方法で、日付・内容・確認結果・次の予定を記録できれば十分です。
復習するときは読み返すだけでもいいですか?
内容を理解するために読み返すことも大切です。そのうえで、答えを隠して思い出し、答え合わせをする時間も作ってみましょう。
参考資料
参考にした研究・資料
復習の間隔と学習方法について、次の研究・資料を参照しました。
- Cepeda, N. J., et al.(2006)「Distributed Practice in Verbal Recall Tasks: A Review and Quantitative Synthesis」Psychological Bulletin 132(3), 354–380. 分散学習と復習間隔に関するメタ分析。
- Cepeda, N. J., et al.(2008)「Spacing Effects in Learning」Psychological Science 19(11), 1095–1102. 復習の間隔と記憶の保持期間の関係。
- 米国教育科学研究所 IES(2007)「Organizing Instruction and Study to Improve Student Learning」時間を分けた学習と確認テストに関する実践ガイド。
- Dunlosky, J., et al.(2013)「Improving Students’ Learning With Effective Learning Techniques」分散学習と練習テストを含む学習法のレビュー。
研究からわかる一般的な傾向と、この記事の実践用スケジュール例は分けて紹介しています。効果や必要な日数には個人差・学習内容による違いがあります。

